◆新聞販売労働者・新聞奨学生の労働に関する質問主意書

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/syuisyo/141/syuh/s141012.htm
1997年、共産党の吉川春子元議員が参議院で提出した質問書。
新聞配達員、新聞奨学生の過酷な状況を示す有用な資料となっています。

今回はこれを読み解いてみたいと思います。
(Qが質問、Aが答弁になります)

>Q1-1.新聞販売店について監督を行ったと聞くが、その結果を明らかにせよ
>A.従来より指導を行っている。今後も継続していきたい。
本当に指導してるんでしょうか?もう10年越しで指導があるなら、そろそろまともな業界になってそうですが。

>Q1-2 1-4.労務管理が極めてずさん。超過労働の報告が多すぎる。全国的な調査をしてみてはどうか?また、行政単位で強力な指導を行うべできでは?
>A.労働管理局が適正に管理してくれているので特別に全国調査は必要無い。
労働基準局も個別の対応はあれど、業界全体に強力な指導を行った事は無いんじゃないでしょうかね。どこかで大きい形で是正するべきだと自分も思いますが。ぬるい指導しか行わず、現場の学生達が苦しんでいる状況が、えらい人にはわからんのでしょうか。国会議員になるくらいだから、進学等で苦労するような家庭で育たない人が多いのかななんていう偏見をちょっと抱いてしまいますた。

>Q1-3配達員の労働災害、特に交通事故が多い。なんとかして!
>A.今後も指導を行う。
これはまあこんなとこだろうと。

>Q2-1.新聞奨学生は辞めたくても借金ができるので辞められないという状況が発生する。これは強制労働や前借金契約禁止にあたるのではないか?辞めるにしても即時返済ではなく、長期の返済などの方式へ是正するべきでは?
>A.新聞社は奨学生の使用者ではない。ゆえに前借金契約にあたらない。返済のプランも特に変更は必要ない。
法律上の問題ではなく、「実質的」にどうであるかが問題なのですよ。辞めたくても辞められないという状況に陥る事について問題を感じていない政府の考えに大変遺憾。

>Q2-2.新聞社が紹介するパンフレットと実際の労働環境に差がありすぎる事が問題。双方において明確に条件等を明示する必要があると思うが?
>A.誤解が生じないよう指導していく。
2007年現在でもパンフレットと実際の労働環境の溝が埋まってないように思いますがいかがでしょうか。一体何の「指導」をやったのでしょう?

>Q2-3.奨学生の過労死などの事例もあり、各関係機構で協力してこのような事態が起こらないようなシステム作りをしていく必要があるのではないか?新聞奨学生の問題は早急に改善すべきだ。
>A.労基署が適正に動いている。更に日本新聞販売協会の協力で、「日販協労働条件適正化推進事業」を実施し、各種改善の講習を行ったところ。
それが有効に機能していれば、過労自殺者やセクハラ被害なんかの問題は起きなかったと思いますがね。

>>1-2が 97年の参議院質疑応答となります。
過労死裁判の和解も99年頃に進み、各奨学会でも制度の見直しなどもある程度は進んでいると思います。

特に産経の毎月奨学金支給相殺は評価できます。読売も以前は二年目から毎月支給の制度があった気がするんですが、辞めちゃったっぽいかな?に一年で貸与と支給の完全相殺が実現しているようで、とりあえず評価できます。
日経、毎日はどうやら未だに完全相殺やってません。つまり、3年制に通うと決めたら3年間働かないと、1年目とかで辞めると差異による借金ができます。なので辞められない人が出てくるようです。最悪です。

各奨学会の「奨学会があなたの学校生活をサポートします」という広告をみてちょっと胸糞悪くなったw

今度各奨学会の資料を貰ってこようかな。