新聞奨学生の死 〜肉体と精神の荒廃・そして〜

都内E店へと引越しも終わり、新生活が始まった。
もう8割方は辞める方向で考えていて、このE店での生活が厳しいようなら本当に実家に帰るつもりだった。
「一応異動するけど、これでだめそうなら今度こそ辞めさせてくれ」
まだ学費の納入等は行っておらず、今なら40万円の返金だけで済む時期だった。
両親にも承諾をもらっていた。

異動先の販売店は更に最悪だった。前年度までは新聞社直営店で給料・休暇等はパンフレット通り、学生に配慮した優良店だった。しかし、本年度からは新たに販売所を買い取った新オーナーが店の学生を管理する事になった。

休暇は月2日。食事は賄いがつくはずが、途中から食パンが置いてあるだけという有様。シャワーは壊れて使えないのに修理もロクにやらない。10人で分割していた区域をリストラして6人に振りなおすという暴挙に出ていた。

一般企業では考えられない対応である。
噂によると自分が来る以前の学生は皆仕事のボイコットを起こし、全員異動させられたという話だ。

仕事について一週間。学生が5人全員辞めた。
自分ももう無理だと感じていて、 辞めたい旨を親に伝えた。


ところが、今になって両親は「辞めてもお金が用意できない」と言い出した。
話が違う。1週間前には多少あてがあったらしいが、どうやら別な事に使ってしまったらしい。
電話口で激昂し、わけのわからない事を口走って


「俺今から首つって死ぬわ ビルから飛び降りて死ぬわ!」と行って電話を切ったのを覚えている。

※無論、40万用立ててもらった後にはなんとかして返すつもりはあった


次の日、まだ自分は生きていた。

仮に自分が死んでも、借金は消えないからだ。
債務は当然両親へと向かうわけで。。